平成30年以降、政府も副業に関するガイドラインを策定するなど、昔はコソコソやっていた副業も今や働き者と褒められるほど、当たり前になりつつあります。
就業規則へ規定されているのは、まだ、大手の一部企業だけのようですが、それでも令和5年分の確定申告では副業に係る申告件数は相当数になるのではないでしょうか。
通常副業は、所得税法上「雑所得」として評価されることが多く、単純に受け取った収入から支払った費用を差し引いた金額が総所得金額へ加算されることになります。これで当然正しい申告になりますが、せっかくお金を稼ぐために行った副業であれば、申告方法によって手残りを多くできないかが本日のテーマです。
先に結論ですが、「「事業所得」として評価できれば、事業所得として申告すべき」ということになります。
雑所得を事業所得として評価できる場合、以下のメリットが考えられます。
①費用にできる範囲が広い
例えば、家族(専従者)へ支払った給料や自宅を事業用に供した場合の家賃負担分、車の減価償却など
②青色申告により最大65万円の控除を受けられる(所得税率30%なら住民税含めて26万円程度減税)
③万が一、赤字になった場合には、給与所得等と損失通算が可能(雑所得の場合は不可)
以上3点だけでも、手残りが相当に変わってくるはずです。
逆に事業所得として申告した場合のデメリットとしては、複式簿記による帳簿の作成義務が発生することと、65万円控除を受けるために貸借対照表の作成が必要になります。
しかし、税引後で数十万円の手残りが変わるのであれば、挑戦する価値はあるのではないでしょうか。
では、どのような条件で「雑所得」を「事業所得」と評価できるか(申告できるか)という問題です。
事業所得とは文字通り、事業によって得た所得ですが、事業になる基準としては「反復継続」が挙げられます。当該副業を業として反復継続して行っている証明(疎明)ができるのであれば、自信をもって事業所得として申告しましょう。
事業性の証明は少し難しいかもしれませんが、収入・支出の額、頻度、事業関係者との契約状況、顧客開拓の方法・頻度あたりを総合的に検討して判断しましょう。ご不安なら中山&パートナーズへご相談ください。
事業所得して申告する場合には、開業届の提出が必要になります。また、65万円控除を受けるために青色申告承認申請書の提出(青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで。もしくは、その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合には、その事業開始等の日から2月以内)もお忘れなく。
記:中山