確定申告 青色専従者給与の金額)|埼玉県川口市の税理士・会計事務所

COLUMN

2024.02.28

税務検討

確定申告 青色専従者給与の金額

 

令和5年分確定申告の期限が残り16日となりました。目下作業中という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今年の確定申告会場での税務相談でもご質問頂きましたが、青色申告をされる方のお悩みポイントとして、青色専従者給与をどのように決めたら良いかということがあるようですので、税務調査での否認事例を含めて解説します。

①青色専従者給与の相当性の基準

まず大原則ですが、青色専従者給与が不相当に高額であると認められる場合には、その金額は必要経費に算入することが認められず、税務調査等で否認されることになります。根拠規定は所得税法57条第1項です。法57条1項では、従事期間、労務の性質、その程度等を「同業種と比較して」相当であると認められれば必要経費に算入できるとしています。

従いまして税務調査では、まずは勤務実態があるかないかを確認され、あるとして、その勤務実態に対してその金額が同業種と比較して適正な範囲内か否かが確認されます。
ここで法人の役員に社長の奥様を就任させて役員報酬を取る場合とは考え方が違いますので、注意です。法人の役員に関しては、その地位に対する責任を負いますから、その責任に対する報酬という考え方があり、労務実態の対価だけで判断しておりません。

②勤務記録を残していない場合

ここで採決例としてあげたいのが、令和元年9月6日採決例です。労務実態は認めらるものの勤務時間を記録していない場合に、課税庁は類似業種の青色専従者給与額の平均額を超える分を否認しています。

労務実態の記録をしていない=同業種の平均額以上を否認

ということになりますから、注意が必要です。

③青色専従者給与が否認された場合

さらに、注意が必要な点として、青色専従者給与で否認された場合、その否認された金額は贈与として認定されます(昭和40年10月8日通達)。

過去数年にさかのぼって所得税・住民税が課税されるうえに、贈与税までという大変な事態になりかねないですから、青色専従者給与の設定は慎重に検討すべき論点です。

④まとめ

まとめますと、
・勤務実態を前提とする
・勤務実態を記録する
・実際に支払う
・労務の対価として同業種水準であり得る金額で給与を設定する
以上の観点がとても大切です。

記:中山

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