令和5年分の確定申告期限も明日となり、当事務所も目途が立ち、落ち着いてまいりました。
明日3月15日は、お子様の卒業式と重なり有給休暇の職員もちらほらおります。
3月は、確定申告が完了するとすぐに、1月決算会社の法人税申告が待っており、そろそろ法人税モードに頭を切り替えていく必要があります。
法人税に関する最近の税務調査では、古典的?な論点ながらも「交際費等」がテーブルに乗ることが多い気がします。
①交際費等の定義とその取扱い
交際費等とは、事業関係者に対する接待・饗応・慰安・贈答のために支出されるもので、その定義は広く、隣接科目との境界もあいまいなためこれまで種々様々な税務訴訟の対象となってきました。
本来交際費等は、原則として損金の額に算入することができません(措法61条の4第1項)。但し、資本金1億円以下の法人については、1年で800万円までは損金算入が許容されています(同条第2項)。
したがって、それほど多額の交際費を使わない法人であれば、通常交際費に関して気を配ることは多くなく、せいぜい法人税申告書別表15を付けて検討おしまいということが多い気もします。
②交際費等の留意点
しかし、交際費等が800万円を超えた若しくは超えそうな状況で決算を組む場合には、事情が全く変わり他の勘定科目で計上されているものの内、交際費に該当するものがないか、よくよく探す必要が発生します。前述の通り、交際費の概念は広く、飲み会の費用や手土産の費用だけに留まらないからです。
よくある漏れとしては、事業関係者との会食後に使用したタクシー代も交際費に該当するため、この交際費等算入漏れが指摘されるケースです。交通費なのに交際費等に認定されるのは、上記の通り交際費は「支出の目的」に着目して判断されるためです。
③交際費等の事例紹介
講学上興味深い事例として、オリエンタルランド事件(東京地方裁判所平成21年7月31日判決(平 成19(行ウ)第655号))をご紹介します。
皆さんご存じのディズニーランドを運営するオリエンタルランド社が、交際費等の否認による税務訴訟を提起した事件です。世の中的には、ディズニーランドの収支状況(何で儲かっているか)が明らかになった事件として話題になったようです。
内容は、オリエンタルランドが、第1審、控訴審、上告審全てで敗訴。国税庁の勝ちです。
この事件で、課税庁は、なんと「減価償却費が交際費等に該当する」ものとして損金算入を否認しました。
理屈としては、「オリエンタルランド社は、マスコミや株主等への接待の為、チケットを無料配布している。とすれば、その無料チケットを使用された際に使われる施設は接待の為に供用されたものなので、その施設の減価償却費は交際費等に該当する」としたものです。
通常の実務感覚では、減価償却費が交際費等に該当するなどとは考えることもありませんので、大変興味深い事件です。交際費等の判断においては、その支出目的に重点が置かれていると裁判所が考えているとよく理解できます。
④交際費等のまとめ
以上のように、通常の交際費等が800万円を超えた申告書を作成する際には、「ザっと」他の科目を拾うのではなく、その支出目的が何であったかをよく検討して交際費等への算入を検討しなければなりません。
記:中山


