令和6年の税制改正によりまして経営セーフティ共済(いわゆる倒産防止共済)の税制上の取り扱いが変更されます。加入可否についてのルール変更はないため、これまで通りの認識ではせっかく加入したにもかかわらず損金算入が認められないことにもなりかねないので、注意が必要です。
①経営セーフティ共済とは
経営セーフティ共済(倒産防止共済)は独立行政法人中小企業基盤整備機構が行う共済制度です。「取引先事業者に不測の事態が生じたときの資金手当」をするための制度で、取引先に倒産等が発生した場合に掛け金の10倍まで(最大8,000万円)までを無担保無保証での貸し付けが受けられます。
加入した場合には、毎月5千円~20万円までの任意で設定した金額を掛け金として支払いをし、その支払った金額全額が法人税・所得税法上の損金として算入できます。また、40か月以上継続して加入した場合には、いつでも100%の返戻で解約が可能です。
生命保険等と異なり、100%返戻されることと100%の損金算入が可能である点から、節税(いわゆる繰延ですが)を好む経営者にとっては利用しやすい制度になっております。
②令和6年税制改正の内容
まず、原則的な取り扱いとしてセーフティ共済が損金算入できる根拠規定は、租税特別措置法66条の11第1項の2です。倒産防止共済への掛け金が全額損金算入可能である旨が規定されおり、この規定が令和6年10月から改正となる法案が衆参通過しております。
具体的には、
「共済契約を解約し、再度契約を締結した場合において、解約日から2年間は損金算入ができない」という内容になります。
おそらく機構からの注意喚起はあると思われますが、解約後すぐに契約自体はできることになり、知らずに契約してしまうこともあり得そうです。
③規制の背景
今回の規制の背景については、中小企業庁がまとめております(PDFファイルご参照)。
要は、本来的な制度趣旨であるいざという時の備えではなく、節税目的を主として加入や脱退を繰り返されていることを国が問題視しているという内容のようです。
④今回の改正に係る留意点
令和6年10月以降に決算期が来るなどで解約を予定している場合には、それまでに解約の検討をすることをお勧めします。今回の改正は令和6年10月1日以後の共済契約の解約について適用されるため、令和6年9月までの解約であれば、10月以降に加入したとしても損金算入が可能になります。
会社の利益予測をしっかりと検討し、将来の投資計画などと照らし合わせ、納得いくように今から進めていきましょう。
記 中山


