これまで、ビットコインをはじめとする暗号通貨を購入する場合に、法人で保有するべきか個人で保有するべきかのお問合せをいただくことがよくありました。
1.暗号資産は法人・個人 どちらで保有するべきかに関する税制改正
法人の事業内容・株式保有割合、そもそもどのくらい儲かるのか、個人所得税の税率などにより、答えは変わるのですが、上記に加えて、法人で保有した場合には毎期末に税務上も時価評価をして損益を確定しなければならない(法人税法61条)ことが、さらに検討を難しくしてきました。
通常は、個人で保有した方が良いという結論になりがちでしたが、令和6年4月の税制改正によって、一定の要件のもと仮想通貨を取得価額のまま期末評価することが認められるようになりました(法人税法61条第2項)。
2.令和6年4月の税法改正により、法人の方がメリットが出るケースが多くなる
特に暗号資産での評価益が出た際の税率で考えますと、法人での課税の方が税率が低くなりお得になる場合が多いと思われます。税法改正によって評価時期を気にすることなく、主にそれぞれの税率で検討するということになろうかと思いますので、今後は法人で保有されるケースも増えるのではないでしょうか。
3.法人で暗号資産を保有する場合の留意点
ただし、暗号資産を法人で保有する場合でも、ただ法人で口座を開設すれば良いのではなく「期末時価評価課税の適用除外」に係る措置を適用させる必要があります。法人で既に持っている場合でもこの適用除外措置をしない場合、原則通り時価評価となりますからご留意ください。
私が調べたところによると、国内大手のコインチェックやビットフライヤーでも適用除外措置が開始されているようです。
4.今後の課税関係予想
令和6年4月の税法改正により、一旦法人で保有する方向に軍配が上がりましたが、暗号資産に関する課税関係は減税方向にありますから、今後は個人で保有した場合の分離課税制度が創設されるかもしれません。この流れで、やはり個人保有がお得という方向に戻るのではないでしょうか。
いずれにしても、昨今の暗号通貨の変動は大きいため、法人の決算着地が予想と大きくぶれる要因になりますから手続きには注意が必要です。決算前に大きく値上がりがあり、納税前に値下がったなどでは目も当てられない状況になります。
記 中山


