特例事業承継税制 計画延長にかかる留意点)|埼玉県川口市の税理士・会計事務所

COLUMN

2024.07.23

税務検討

特例事業承継税制 計画延長にかかる留意点

 

平成30年に創設されました特例事業承継税制ですが、本来、計画書の提出期限は令和6年3月までとなっておりました。しかし、令和6年税制改正で計画の提出期限が令和8年3月までと延長されております。この場合、事業承継税制の適用は、令和9年12月末までの贈与・相続が対象となります。

この税制は、株価が高くなっている中小企業の事業承継を円滑に進めるため、一定の要件のもと取締役に対する株の贈与に係る贈与税を全額猶予される制度です。株価が高く後継者が承継できない中小企業にとっては大変便利な税制で、手続きは煩雑ではありましたが、中山&パートナーズの関与先様でも多々ご活用されております。
本制度は、相続においても適用可能ですが、適用の多い贈与に限った説明をさせて頂きます。

特例事業承継税制の手続き概略

簡単な手続きの流れは、以下の通りです。
①承継計画書を都道府県へ提出
②都道府県による計画書の承認
③株の贈与
④贈与税の申告(贈与のあった日の属する暦年の翌3月15日まで)
⑤都道府県への会社状況に係る報告(贈与税申告後の翌年から5年間は毎年)
⑥所轄税務署への報告(贈与税申告後の翌年から5年間は毎年)

特例事業承継税制適用の為の要件

1.対象会社の要件の一部

・中小企業者であること

・上場会社、風俗営業会社でないこと

・資産保有型会社・資産運用型会社でないこと

 

2.先代経営者(贈与者)の要件の一部

・先代経営者がその会社の代表者であった期間内のいずれかの時及びその贈与(又は相続開始)の直前において、先代経営者と先代経営者の親族などで総議決権数の過半数を保有しており、かつ、これらの者の中で最も多くの議決権を有する者(特例の適用を受ける後継者を除く)であったこと

・会社の代表者であったこと

・既に事業承継税制の適用に係る贈与をしていないこと

・《贈与の場合》贈与時に代表者を退任していること

・《贈与の場合》一定数以上の株式等を贈与すること

・《特例措置のみ》特例承継計画に記載された先代経営者であること

 

3.後継者(受贈者)の要件の一部

・贈与時において、後継者とその者の親族などで総議決権数の過半数を保有していること

・(後継者一人の場合)同族関係者の中で最も多くの議決権数を有していること

(後継者複数の場合)各後継者が10%以上の議決権を有し、かつ、各後継者が同族関係者の中で最も多くの議決数を有していること(既に又は同時に特例措置の適用を受けている後継者を除く)

・贈与又は相続・遺贈により取得した株式等を継続して保有していること

・その会社の株式等について一般措置の適用を受けていないこと

・特例承継計画に記載された特例後継者であること

・《贈与のみ》贈与時に18歳以上の代表者であり、かつ、贈与の直前において3年以上継続して役員であること

特例事業承継税制適用に係る最近の留意点

以上の通り、特例事業承継税制を贈与に関して適用させる場合には、贈与の直線において3年以上継続して役員であることが要件となります。また、前述の通り、本税制の適用は令和9年12月末までの贈与が対象になります。

従いまして、併せて考えますと、令和9年12月までに3年間以上の役員登記が受贈者に求められるため、令和6年12月までに後継者の役員登記が必要になるということになります。

令和8年までの計画書提出や令和9年末までの贈与だけで考えてしまいますと、いざ贈与するときに要件充足しないということが起きかねませんので、注意が必要です。

役員就任が求められる期限まで残り5ヶ月と少しあります。税制適用の可能性がある会社は、是非中山&パートナーズまでご相談ください。

記 中山

取扱業務:事業承継税制

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