利上げ決定と影響
日本銀行は令和6年7月31日の金融政策決定会合で、約0.25%の利上げを決定しました。いわゆる公定歩合の利上げで、今後は銀行が日銀から資金調達をする際に利息を支払う必要がでてきます。
銀行の調達金利が上がることで、当然に銀行が企業に貸し付ける金利の上昇が見込まれ、これまで極めて低い金利で借りられていた法人も、少しずつ利息の支払いが多くなり、その収支に与える影響も少なからず大きくなりそうです。
従前との状況変化
私が知る限り、これまで日本政策金融公庫の創業融資でも1.5%~2.0%の間、信用を積み重ねた企業では市中銀行のプロパー融資で0.3%台の金利も見たことがあります。
これまでは借りられるだけ借りて、その資金使途はあまり気にしなかった法人も、仮に金利が2.5%であれば、借入金額の2.5%ずつ資産価値を減少させることになりますから、今後は調達して投資した資産から金利以上の収益を生み出しているかという観点でしっかりと検討しなければなりません。
また、これまで貸借対照表を大きくするという価値観から(負債も資産も大きい方が良い)、なるべく小さくする方が良いという価値観へ変わってくるでしょう。贅肉がたくさんあるBSより、筋肉質なBSが美しく見えるフェーズに入ります。
古き良きアメリカでは食料不足時代の中、太った方が素晴らしいという価値観からfat mans clubという社交会があったようですが、飽食の現代ではfat mans club はすべて解散され、筋肉質で健康的な方が良いという価値観に変貌したイメージと似ています。
今後の会社財務の観点
今後は、決算に際して、借入金見合いの資産から発生する収益率≧調達金利の観点を忘れずに検討する必要があるでしょう。
中山&パートナーズでは、決算申告の際に金融機関から財務諸表がどのようにみられるかについても、確認・提言を行っております。
~中山&パートナーズの決算申告業務~
記 中山