当事務所にも、こういったご相談が多く寄せられます。
相続税は、すべての方にかかるわけではありません。まず「基礎控除」という仕組みを知ることが大切です。この記事では、相続税がいくらからかかるのか、基礎控除の計算方法と合わせてやさしく解説します。
① 相続税がかかる人はどれくらいいる?
実は、亡くなった方全員に相続税がかかるわけではありません。国税庁のデータによると、相続税の申告が必要となるのは、亡くなった方のうちおよそ9〜10人に1人程度です。
多くの方は「基礎控除」の範囲内に収まり、申告自体が不要になります。まずは基礎控除の金額を確認してみましょう。
② 基礎控除とは?
相続税には「基礎控除額」という非課税枠があり、遺産の総額がこれを下回れば相続税はかかりません。
たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人であれば、
→ 遺産の総額が4,800万円以下なら、相続税はかかりません。
③ 相続財産の「総額」に含まれるもの
基礎控除と比較する「遺産の総額」には、預貯金・不動産・株式だけでなく、以下のものも含まれます。
- 生命保険金(ただし「500万円 × 法定相続人の数」まで非課税)
- 死亡退職金(同じく「500万円 × 法定相続人の数」まで非課税)
- 亡くなる前3〜7年以内に贈与された財産(例外有)
- 名義預金(実質的に被相続人の財産と認められるもの)
④ 相続税の税率と速算表
基礎控除を超えた部分(課税遺産総額)に対して、以下の税率が適用されます。
| 課税遺産総額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | — |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
ただし、この税率はまず「各相続人が法定相続分どおりに取得したと仮定して」計算します。実際の分け方とは別に計算する点が、相続税の難しいところです。
⑤ 税理士に相談するタイミング
以下のようなケースでは、早めに税理士にご相談されることをおすすめします。
- 遺産に不動産が含まれる(評価が複雑になりやすい)
- 基礎控除ギリギリで、かかるかどうか判断できない
- 生命保険や退職金を受け取った
- 亡くなる前に贈与を受けていた
- 申告期限(相続開始から10ヶ月以内)が近い
まとめ
相続税は「基礎控除を超えた分だけにかかる」税金です。まずは法定相続人の人数を確認し、基礎控除の金額と遺産総額を比べてみましょう。
ただし、不動産の評価や名義預金の扱いなど、ご自身だけでは判断が難しいケースも少なくありません。少しでも不安があれば、お気軽にご相談ください。
| 根拠・出典 | 内容 |
|---|---|
| 相続税法第15条 | 遺産に係る基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数) |
| No.4102 | 相続税がかかる場合(基礎控除と課税遺産総額) |
| No.4152 | 相続税の計算方法 |
| No.4155 | 相続税の税率(速算表) |
| No.4114 | 相続税の課税対象になる死亡保険金(500万円×法定相続人の数の非課税枠) |
| No.4158 | 配偶者の税額の軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税) |
| No.4124 | 小規模宅地等の特例(居住用宅地の評価額を最大80%減額) |
※ 法令・通達は改正される場合があります。最新情報は国税庁ホームページおよびe-Gov法令検索にてご確認ください。


